それ以来、結構な頻度で触っているのですが、細かく数値化してみていなかったので、
ちょっと今回は具体的に数字にして比較して、どの様な設計が合うかをみたいと思います。
やり方は、
Wordpressをインストールして、レスポンス性能を確認する
というやり方です。
IDCFの導入方法やインスタンスの作成は「めちゃ楽ガイド」という冊子があり、
そこに書いてあるのが1番詳しいのでリンクを貼っておきます。
http://www.idcf.jp/pdf/cloud/IDCFCloud_installation_guide.pdf
この記事では細かいミドルウェアの構築方法は記載せず、
比較手法と比較結果を書いて考察したいと思います。
環境は以下。
Ubuntu 12.04.1 LTS(64bit)
apache2 2.2.22
mysql-server 5.5
php5 5.3.10
wordpress3.0
上記環境をapt-getでインストールした"デフォルトの状態"でabを掛けて比較します。
新旧の違いを考える
CPUクロックがパワーアップ。起動スピードはクラウド随一に
新旧で目に見える違いはCPUのクロック。
以前は1.6GHzでしたが、2015年1月現在ではXeon E5-2680で2.8GHzのようです。
視覚の部分で大きく変わったのがインターフェース。
オリジナリティのあるコンパネになりました。
体感の部分が一番大きく変わっており、起動スピードはクラウド随一となっています。
インスタンス作成のジョブを流してから起動するまでに20秒程度しか掛かりません。
私がIDCFクラウドを注目している理由は2つあり、1つはこの起動スピード。
これはとても大きい変更で、これだけでも使う価値が出てくると考えています。
もう1つはYahoo!Japanのインフラにリーチしていることが大きいと考えています。
最近ではYahoo!ビッグデータインサイトや、コンテンツキャッシュサービスなどがあげられます。
運用面では未だ苦労することが多く、例えばスナップショットに時間が掛かる等、
課題も多い為、運用設計に注視をしておく必要があります。
価格についてもエントリーのインスタンスが劇的に安いのですが、それ以外は若干割高です。
こちらも設計がとても重要になります。
エンジニアのかゆいところを残しておいてくれるのはAWSやオラクル等と同じなのですが、
少し残されすぎかなぁという印象です。ちょっとかゆすぎ。
ただ、前記している起動スピードはクラウドで最も重宝される部分ですし、
現状、ユーザは暖機以外に選択がないので、設計次第ではかなり柔軟な構成が可能です。
新旧を比較してみる
クロックアップの分だけ応答性能はアップ
話がそれました。
IDCFクラウドでの設計はまたの機会として、新旧比較に一旦戻しましょう。
abのオプションとして
1. -n 1 -c 1
2. -n 10 -c 10
3. -n 100 -c 10
4. -n 100 -c 100
5. -n 1000 -c 100
で比較をしているのですが、4~5についてはメモリの問題で出来ない事もあり、
低価格インスタンスでは1~3で比較されています。
上記図の単位はリクエスト/秒です。
CPU性能が上がっている分、性能としては全体的に上がっている事が解ります。
light系0.8GHzの場合、ある一定の段階でガクンと性能が落ちます。
上記図の場合、n10c10の負荷では1cpuと変わらない速度で応答しますが、
n100c10になった途端に制限がかかっていることがわかります。
継続負荷には弱いですが、断続的な応答であれば1コア使っているような感覚でしょうか。
この辺はAWSのmicro等と考え方は一緒で問題ないかと思います。
低価格インスタンスの応答性能が高いため、メモリをそこまで使用しないサイトであれば、
light.s1インスタンスを並べて処理をする等で、耐障害性も高めながら今よりも安く設計する事が可能だと思います。
上記から個人サイトのようなものや、そこまでアクセスが多くないEC/Webサイトでは、
メモリさえ間に合ってしまえばlight.s1インスタンスでも十分に処理が出来るかと思います。
その他クラウドとはどう違うか
その他クラウドとは運用コストが変わったりするため、単純比較は難しいのですが、
ハイCPUインスタンスでもこの高い性能は変わりません。
例えば、8コアCPUのインスタンスを他社と単純に応答速度だけで比較してみると
意外にもIDCFに良い結果が出て驚きました。(失礼。。)
価格で軸を置いて比較をするか、応答速度で比較をするか、等々
なにを軸にして比較するかによってこのような比較は意味の無いものになります。
今回は単純にWordpress初期構築時の応答速度を他社と比較してみましたが、
価格帯がバラバラなものの、結果としては悪くない値になっています。
※この記事はIDCFについて記載しているため、他社名は記載していませんが、
当ブログではパブリックな比較をする際には正式名称記載で比較を行っています。
新しいIDCFクラウドのバリューとは
light系の0.8GHz制限があるインスタンスについては他社クラウドと同じ制限イメージがある為、
とりあえずlightで複数台構成を行い、イベントや流入見込みの際にインスタンスをstandard以上に
変更するというような、いわゆるクラウド的な使用方法が見えてきます。
ただ、このあたりの閾値を決める設計はかなり難儀なため、standard以上を使う形になってしまいそうです。
新旧と比べてみましたが、性能や使い勝手の面で格段にアップしていると思います。
新IDCFクラウドでは価格が安いlight.s1を攻略する事で、予算内での設計幅がかなり広がります。
スナップショット等、運用機能が貧弱な為、バックアップ等の運用設計は、
導入時にしっかりしておく事が必要になります。
また3Tまではトラフィック無料ですが、課金自体はアカウント単位で課金が行われるので、
トラフィック量が多い場合は複数アカウントを用意し、DNSラウンドロビンを使用して
対処する事でシステム的なコストダウンは出来ると思います。
この辺の設計やテクニックについても今後ブログでご紹介していきます。
国内クラウドの注目株IDCFクラウドの新旧比較でした。
それでは、良いクラウド構築を!
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